高校生専門、進路選択アドバイザーの岡本です。
今でこそ、偉そうにみなさんに語っていますが、
進路選択において、僕ほど反面教師になれる人材はいないと自負しています。
高校も大学もテキトーに選んだ結果、僕は進路選択を間違えました。
入った学部が自分に向いてなかったんです。
周りに流され、結局大学院まで行ってしまったのですが、耐え切れずに大学院を1年で退学するというコースを取ることになりました。
そんな僕だからこそ、今なら開き直って伝えられる
『大学選びを間違えた理由』をご紹介します。
大学選びを間違えた4つの理由
偏差値だけで学校を選んだ
僕が通っていた高校は東京都立の進学校でした。
なので、クラスのほとんどが国公立大学志望。
センター試験を受けて、2次試験を受けて、国公立大学を目指すのが当たり前な校風でした。
基本周囲に流されながら進路を選択する僕は何も考えずに、
現在の偏差値から見てチャレンジできるという基準で大学を決めてしまいました。
実際に大学に行ったのも、学園祭のときに一度だけ。
『聞く』という活動をしている人に、面白い話をしろと散々付きまとわれ、困ったことしか覚えていません。
僕は勉強は好きと言う変わった人種だったので、幸いにも受かることが出来ました。
そんな浅い動機づけで、よく受験勉強頑張ってたなと今でも思います。
志望学部について全く調べなかった
昔から理科が好きだった僕は、とりあえずその大学の理学部を志望することにしました。
しかし、恥ずかしい話ですが、僕は理学部と工学部の違いすら知りませんでした。
その二つの違いを知ったのは大学に合格が決まった後、
入学式の2日前の健康診断の日でした。
ボート部に勧誘され、部室で話を聞いているときに、
先輩に言われた一言を今でも覚えています。
[voicel icon=”https://kouhei-okamoto.com/wp-content/uploads/2017/01/icon_009900_256.jpg” name=”ボート部の先輩”]理学部!?もの好きだね~。あそこって自己満の学部でしょ![/voicel]
工学部は、社会に役立てることを目標に研究をする学部です。
なので、解決すべき社会課題があり、その課題を技術的に解決することを試みます。
一方の理学部は、物事の道理を解き明かすことを目指している学部です。
社会に役立つかどうかはそこまで考えません。
科学者が“真理を解き明かしたい!”という自身の知的好奇心を満たすために研究をする場所です。
つまり悪くいうと、『自己満』なんです。
もちろん、その研究がたまたま社会の役に立ってしまうことはよくあります。
世界を変える研究が生まれていることも今なら分かります。
しかし、その言葉を聞いた当時の若かりし僕は
[voicer icon=”https://kouhei-okamoto.com/wp-content/uploads/2017/01/びっくり.jpg” name=”岡本”]入る学部を間違えた!
人の役に立てる工学部を選べばよかった!!!
[/voicer]
と思ってしまったんですね。
そうして入学式前にも関わらず、大学生活へのやる気を失ったのでした。
実際にどんなことを学ぶのか一切知らなかった
僕の大学は、2年次に学科の配属を決めるというシステムを取っていました。
理学部ショックから1年、とりあえず社会に役立つ、実生活に近いことを学びたいと思った僕は
理学部化学科を選択しました。
しかし、知らなかったのです。
僕が選んだ学部が三大鬼畜学科と揶揄されるほど多忙な学部であるということを・・・
入ってみると、
実験⇒レポート⇒演習課題⇒実験⇒実験⇒レポート⇒レポート⇒・・・
課題に追われる毎日・・・
暇があったら図書館に通い詰める日々を送っていました。
誰だ!
バラ色のキャンパスライフとか言ってたやつは???
と輝かしい青春を謳った学園ドラマを呪いたくなるほど忙しい生活をしていました。
でも今考えれば、調べれば、人に聞けば十分に予想が出来ることなんですよね。
入学当初の後悔はここでも全く生かされることはありませんでした・・・
自分と向き合うことをしなかった
自分で言うのは何ですが、僕は真面目な人です。
なので、退屈には感じていましたが、実験もレポートもそれなりに頑張っていました。
でも、大学3年生になったとき、ふと思っちゃったんですよね。
「実験ばかりを続けていく生活は嫌だ。」
「これはおれのやりたいことじゃない。」
と。
同時にものすごい後悔が襲ってきました。
「なんでもっと自分と向き合ってこなかったんだろう」
「貴重な時間を本当に無駄にしてしまった」
と。
普通科の高校だったので、中学校から進学するときに進路を意識しないでも問題はありませんでした。
高校行ったらやりたいことくらい見つかるだろう、とのんびり構えていたら結局何も見つからず。
いざ、大学選びをするときになっても、
まあ大学入ったら考えようとのんきに構えていました。
だから、本当の意味で自分の意志で進路を選んだことはありませんでした。
自分自身と深く向き合うことをずっと避けていました。
避け続けて、決定することを先延ばしにして、ごまかしごまかし生きてきました。
そのツケが回って来たんだと思います。
自分が好きなことは何なのか?
社会に貢献できることは何なのか?
もっと考えていれば良かったなと思います・
後悔しない大学選びをするために知っておきたいこと
そんなこんなで、僕は最悪の進路選択をし続けました。
でも、失敗した経験から気付いたことがたくさんあります。
当時の僕自身にアドバイスしたいことをいくつか紹介します!
そもそも大学とは何をするところなのかを理解する
みなさんはなぜ大学に行くのですか?
同じようなことをやっている専門学校では行けないのですか?
大学とは『教育研究機関』です。
研究とは、まだ明らかになっていないこと、答えのない問題に対して答えを出していくことです。
みなさんが今学校で習っていることのほとんどは、すでに答えがあることだと思います。
遺伝子を転写し、翻訳する一連の過程をなんというか?
⇒セントラルドグマ
みたいに。
大学で行うことは、答えのない問題に対して答えを出していくことです。
そのために必死に勉強しないといけないんです。
社会で求められていることを知る
進路を考えるときに、自分の興味のあることを中心に考えてみるのも一つの手ですが、
社会的に求められていることから探してもいいのではないかと思います。
例えば、今後注目される科学技術は、IoTや人工知能、再生医療などなど
将来性のある分野は調べてみればたくさん出てくると思います。
興味のあることがいまいち見つからない人は、こういった学部や就職に強い学部などを選ぶのも一つの手なのではないかと思います。
当時の僕がこの考えに納得していたら、機械工学系とかプログラミング系とかに進んでいたでしょうね。
間違いなく。
また、社会求められていることの一つにスペシャリスト、専門家になることが挙げられます。
詳細はここでは省きますが、社会構造の変化によりこれからの働き方は
1つの企業に勤めるよりも、専門性を有した個々人がプロジェクトに参画していく形になると言われています。
例えば、僕が高校生の進路選択を支援するイベントを立ち上げたいとします。
このときに、集客の専門家、奨学金制度に詳しい専門家などを団体に誘い、共同で運営していきます。
活動が終わったら解散。
その後はまた各自、専門性を生かして様々なプロジェクトに参加していきます。
このように専門性を持った個人が集まり、プロジェクトを動かしていく。
そんな働き方が主流になるのではないかと言われており、実際にそうなっている場面もたくさんあります。
プロジェクトに参加するには、自分が何が出来るのかを相手に知ってもらわなくてはなりません。
その際に大事になってくるのが『専門性』なんです。
だからこそ、大学では『専門性』を身につけることを意識して欲しいと思います。
もちろん、4年間でどこまで身につけられるかは保証はないですが・・・
様々な学問について調べる
みなさんは世の中にどんな学問があるか知っていますか?
とりあえず、ものすごいたくさんあるんですよ。
例として、心理学をあげてみると
臨床心理学
行動心理学
知覚心理学
学習心理学
認知心理学
知能心理学
性格心理学
発達心理学
教育心理学
動物心理学
児童心理学
・・・
まだまだたくさんあります。
もう辞めてくれって感じですね。
大枠で言うとどれも『心理学』には当たりますが、その内容は様々です。
1つ1つを調べつくすのは難しいと思いますが、大枠の学問だけはある程度知っておいてもいいのではないかと思います。
当時の僕はそんなことを一切気にしませんでしたし、自分選んだ学問でさえ全く調べませんでした。
調べてみると今でも面白そうと思える学問がたくさんあります。
高校生のときにそんな機会があれば良かったなと思います。
自分と向き合い、自分で決める
やりたいことが分からない人は
「どこかに『やりたいこと』なるものが隠れていて、それを探し出さなければならない」と
思い込みがちです。
でもこれは僕の考えですが、『やりたいこと』などそもそも存在しません。
存在しないものなので、見つけることなんかできません。
どういうことかと言うと、
『やりたいことがある人』というのは、『それをやると決めている』だけなんです。
その決定の度合い・自分自身の納得感が強いだけなんです。
ですが、進路選択それ自体には正解も不正解もないので、何より重要なのがこの自己納得感です。
『やりたいことが分からない』と言う人は、自分自身が選ぼうとしている道への納得感が低いだけです。
自己納得感が高まるように、自分自身ともっと向き合う時間を作ればよかったなと思います。
(でもどうやったらいいのさ?と言う人に、詳しくはこちらの記事から ※Coming soon)
そうは言っても、選択自体に失敗はないよって話
ここまで書いておいて申し訳ないですが、極論を言ってしまえば、進路選択には正解も間違いもありません。
僕も大学生の当時は、何で進路選択を間違えちゃったんだろうと、ものすごい後悔をしていました。
でも、自分自身の激しい後悔があるからこそ、
自分の二の舞にはなって欲しくない、
進路に悩む高校生が納得の行く選択できるよう支援する、という目標を今は持つことが出来ました。
“Connecting dots”とAppleの創業者、スティーブジョブズは言いました。
現在はつながりが無いように見えることでも、未来の自分から見るとつながっている。
人生に無用なことはないという教えです。
彼は大学をわずか6か月で退学し、その後18か月間、その大学に潜入。
聞きたい講義を適当に取っていたそうです。
そこでたまたま受けていたカリグラフィーという授業が、初期のAppleのコンピューターに美しい字体を生み出すことにつながりました。
今は負の経験に思えることも、意味がないように感じることも、未来のどこかで必ず意味が見いだせる時が来ます。
また、仮に選んだ学部が自分に向いていなかったとしても、転学科をしたり、大学内外で様々な活動に参加してみることでいくらでも自分の見聞を広めることが出来ます。
自分が選んだ進路に納得しようとそうじゃなかろうと、充実した大学生活を送れるかどうかは自分次第ということです。
だから、安心してください。
自分の人生の手綱を自分自身が放さなければ、人生なんとでもなりますよ。
みなさんが、納得の行く進路を選べるように応援しています!
くれぐれも僕のマネはしないでくださいね!
最後まで読んでいただきありがとうございました。