こんにちは!
進路アドバイザーのおかもってぃです。
みなさんはTEDって知ってますか?
「あ~あれね、あのくまのぬいぐるみがしゃべるやつでしょ。」

それはテディベアのTED。
そうではなく、大学教授や企業の社長、世界的なパフォーマーなど様々な人がプレゼンテーションを行うイベントです。
日本でもいろいろな場所で行われています。
ここで発表されている内容の多くは、最新の科学的知見。
今、どんな研究が行われているのかを知るにはちょうどいい教材なんです。
しかも、TEDの動画は無料で見放題なんです。
ぜひ個人的にも面白そうな動画を探してみてほしいのですが、今回は僕が感動したTED動画を理系の分野で10個紹介したいと思います!
文系編はコチラ⇒見たら絶対勉強したくなる!高校生におすすめしたいTED動画10選【文系編】
①森で交わされる木々たちの会話

「木は木同士でお話してるんだよ。」
こんな言説は一昔前であれば。子供のおとぎ話として片付けられてしまったかもしれません。
ですが、そんなおとぎ話のような話を信じて実験を繰り返し、ついにはそれを証明してしまった科学者がいます。
それがスピーカーのスザンヌ・シマード。
木々たちは絶対に会話をしている、彼女の強い確信とは裏腹に信じる者は誰もおらず、研究費もなかったそうです。
そんな中やっとこさ実験にこぎつけ、クマが出る危険のある森の中で実験を行ったところ、特定の木々の間で炭素の交換をしていることが明らかになったそうです。
なんと木々たちは驚くべきネットワークを形成し相互に助け合っていたのです。
- 日陰に入ってしまった木への養分の援助
- 多くの木とつながっているハブとなる木がいること
- 母木は子供を認識し、他の苗木よりも余分に養分を送っていること
などなど、びっくりするような発見の連続です。
森林はネットワークを形成した大きな有機体だったんですね。
今後の森の見方が大きく変わるであろう動画です。
めっちゃおもろいです。
動画はコチラ⇒森で交わされる木々たちの会話
②量子生物学は生命の最大の謎を解明するか

皆さんは、『量子力学』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
皆さんが高校で習う物理学は『古典物理学』と呼ばれています。
『古典』、もう古い、ということです。
古典物理学では説明がつかない物理現象が数多く観測されていて、それらを説明するために『量子力学』という物理学が生まれました。
量子というのは粒子性と波動性を併せ持つ存在のことを言うのですが、とりあえず、分子や原子、核、電子など、ものすっごい小さい粒子のことと捉えておいてください。
そんなめっちゃスモールワールド、量子の世界には不思議なことがたくさん。
例えば、入り口が二つあったとき、僕らは絶対に片方からしか入れませんよね。
ですが、量子の世界では両方から入っているようにも見えるし、片方だけ通過してるようにも見える!
なんてよく分かんない現象が観測されます。
よく分かんないですよね!
こんなような摩訶不思議な現象がたくさん観察されるのが量子力学の世界です。
そして、今回の動画は、そんな量子力学を用いて生物の不思議を解明しようとしている科学者の話です。
まだ完全に確信できる証拠があるわけではないのですが、渡り鳥が微弱な地磁気を読み取り飛行をしている仕組みにはこの量子生物学が関係している可能性が高いそうです。
本動画中ではないですが、他にも生命誕生のカギを握るのが量子生物学という話もあり、今後の発展がものすごく気になる分野です。
動画はコチラ⇒量子生物学は生命の最大の謎を解明するか
③DNAへ人生初期の経験が刻まれる

遺伝子情報は絶対だ!
この考えを覆した生物学の分野があります。
それがエピジェネティクス。
遺伝子自体が変わるわけではありませんが、生まれた後の環境によって、どの遺伝子が発現するのかが変わるというのです。
例えば、同じ母親から生まれたラットを、よく子供を舐める養母とほとんど舐めない養母にあてがったらどうなったと思いますか?
良く舐められたラットは性格も穏やかですが、舐められなかったラットはストレス耐性のないラットに育ってしまったそうです。
サルの赤ちゃんで試したところ、同様の結果が見られ、そのDNAを検査したところ明確な違いが現れました。
人間に同様の実験をすることは出来ませんが、自然発生的に幼少期にストレスにさらされた子供たちは自閉症率や代謝疾患率が高かったそうです。
遺伝子の発現情報が幼少期の体験で変わるということは驚きですが、子どもが小さいときの経験が生涯にわたって及ぼす影響の怖さも感じる動画です。
動画はコチラ⇒DNAへ人生初期の経験が刻まれる
④超自然現象に対する科学的なアプローチ

登壇者のキャリー・ポピー氏は25歳当時、とあるゲストハウスに住んでいました。
その家の中である晩、椅子に腰かけていたところ、なんだか誰かに見られているようなとても気持ちが悪い感覚がしたそうなのです。
でも周りを見渡しても誰もいない・・・
その後もだんだん症状は悪くなる一方、徐々に胸に圧迫感も感じるようになり、何かに取り憑かれていると確信し始めました。
見よう見まねで除霊をしてみてもうまくいかず悩んでいたところ、除霊師のフォーラムに行き当たりました。
そこの人たちは一風変わっていて、彼らによると調査した幽霊の事例のすべては、科学によって説明がついたと言います。
そこで自分の症状を伝えたところ・・・
「一酸化炭素中毒は聞いたことがありますか?」と。
すぐにガス会社に電話して調べてみてもらったところ実際にガス漏れが発覚。
あと一晩遅かったら命も危なかったようです。
この経験から、キャシーさんは超常現象を科学的に捜査し始めましたそうです。
その結果は・・・?
動画はコチラ⇒超自然現象に対する科学的なアプローチ
⑤心を宿したロボット

テクノロジーの発達により、様々な仕事が機械に代替され、人間らしい仕事しか残らないと言われています。
残る仕事の代表格としてよく引き合いに出されるのが、人間同士のコミュニケーションを必要とする職種です。
心の通ったコミュニケーションはやっぱり人間と人間でしかできないですからね。
・・・
でも本当にそうでしょうか?
機械に心を表現させることは不可能なのでしょうか?
この動画には何とも愛くるしい、感情を持っているとしか見えないロボットが数多く登場します。
ロボットにも感情を持たせることが出来るんじゃないか。
そんな可能性を感じる動画です。
動画はコチラ⇒心を宿したロボット
⑥ジル・ボルト・テイラーのパワフルな洞察

ジル・ボルト・テイラーは脳科学者。
そんな彼女自身がなんとある日、脳卒中になってしまいます。
彼女の頭の中で漏れ出した血液は彼女の左脳を圧迫。
徐々に機能が失われていきました。
そんな生死の境で見たのは、左脳が停止し、右脳だけから見た世界。
そこには自他の区別が全くない幸福な世界が広がっていたそうです。
もし人類が、自他の区別のない幸福な感覚を共有することが出来たら、世界は平和になるのではないか。
彼女は言います。
右脳から見た世界がどんなものか、私たちは想像することしかできませんが、なんだかすごい世界が待っていそうでワクワクします。
動画はコチラ⇒ジル・ボルト・テイラーのパワフルな洞察
⑦アマゾンの人々が知っている我々の知らないこと

マーク・プロトキンは民俗植物学者。
亜熱帯雨林の住民が植物をどのように使っているかを調査する科学者です。
彼は言います。
彼ら(原住民)は森にある貴重な薬について我々が到底知り得ないくらいによく知っている。
彼が研究中に足を怪我したときに、西洋医学に基づいた治療を行っても効き目がなかったそうです。
しかし熱帯雨林の中で出会ったシャーマンに処方された薬を飲んだらあら不思議。
その後7か月も痛みが出ることはなかったそうです。
シャーマンたちは現代医学を学んだわけではありません。
ですが、現代の医者が知り得ない様々なことを知っています。
貴重な叡智を知っている彼ら原住民と文明が接触すると、たいていは良くないことが起こるそうです。
虐殺や住居の強制移住といったことです。
熱帯雨林は徐々に減少し、彼らの住む場所はどんどん小さくなってしまっています。
彼らが知りえている叡智を残すために、彼らの暮らしを守る方法を真剣に考えなければならないのだと思います。
動画はコチラ⇒アマゾンの人々が知っている我々の知らないこと
⑧ゲノムを読んで人間を作る方法

我々人間を形作るのは、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)
たった4つの塩基配列です。
それらが30億文字つながって、私たちの遺伝情報を作っています。
ヒトゲノム計画が終わり、人類が持つ全遺伝子コードを読み取れるようになりました。
それらをすべて本にしたらどうなるか。
なんと26万2千ページにも及びます。
多すぎて想像できないですよね、笑(動画の中には書籍として出てきます)
遺伝子情報を読み取れば、人の顔や伸長をかなりの精度で予測できるそうです。
それらが発達すれば、いずれは各個人の遺伝子に基づいた医療の個別化が可能になるかも。
まだまだ解明できていない遺伝子コードはたくさんありますが、今後の発展が実に気になる分野です。
動画はコチラ⇒ゲノムを読んで人間を作る方法
⑨アスリートたちは本当に速く、強くなっているのだろうか。

各スポーツの世界記録は毎年塗り替えられ、人類がどんどん進化しているしているように感じます。
ですがそれは、100%事実ではなく、技術の進歩によってもたらされたという側面もある。
そうエプスタイン氏は言います。
実際に、水泳の協議では世界記録が大幅に短縮された瞬間があります。
それがフリップターン、水中で1回転して壁を蹴るターンの仕方が登場したときでした。
また、自転車1時間の最長距離走行記録は、自転車を作る技術が作ったことにより8キロも伸びたことがあるそうです。
しかし、その後自転車の規格を以前のものに戻したところ、同じ記録は二度と出なかったそうです。
そんなわけで、世界記録が更新されているからと言って人類が必ずしも進歩しているとは言えないようですが、体格的に競技に向いている人がその競技を行えるようになり、世界記録が伸びている側面もあるようです。
現代スポーツの発展はテクノロジーの進化がもたらしたものなのかもしれません。
動画はコチラ⇒アスリートたちは本当に速く、強くなっているのだろうか。
⑩自殺するコオロギ、ゾンビ化するゴキブリ、その他の寄生生物にまつわる話

私たちが自分だと信じているこの意志、思考。
しかし、これは本当に自分自身のものなんでしょうか?
頭の中に住んでいるエイリアンが操作しているだけなのではないでしょうか?
そんなあり得ないファンタジーのような話がありえるかもしれません。
エド・ヨンは寄生虫の研究者。
なんと自殺するコオロギがいるそうです。
自己増殖の原理に基づいて生きている生物が自殺するなんて驚きですが、その犯人は寄生虫のハリガネムシ。
ハリガネムシはコオロギの中で育ちますが、産卵をするためには水中に戻らないといけません。
そこでコオロギを錯乱させるタンパク質を出して、水辺に飛び込ませてしまうそうです。
怖っ!って感じですよね。
もしかしたら私たちの頭の中にも寄生虫がいて私たちを操っているのかも・・・
動画はコチラ⇒自殺するコオロギ、ゾンビ化するゴキブリ、その他の寄生生物にまつわる話
まとめ
以上、最高に面白いTED動画10選【理系編】でした。
ここで話されているトークはほぼ世界の最先端。
現代科学は驚きの連続です。
こんな面白い世界が広がっているなら、頑張って勉強しよう!!!って思いませんか?
思いませんか?
思いませんか?
思ってくれたらうれしいです・・・
最後まで読んでくださりありがとうございました!