「前回は自己分析をするときは自分の価値観を明確にしましょう!という話をしました。価値観ってなんでしたっけ?」
前回の記事⇒やり方間違えてない?自己分析で重要なことは、価値観を知ること
「え~っと・・・大切にしてること!」
「まあ大枠は・・・間違ってないかな・・・ちょっとその辺の復習もやっとこうね。」
価値観とは何か?
前回、価値観とは、個々人が持つ善悪の判断基準であり、人間のモチベーションの源泉になるという話をしました。
先生になりたい人、というのは先生になりたいわけではなく、勉強を教えたいとか、子どもの成長に関わりたい、みたいな欲求があるから、先生になりたいと思うんですね。
この、先生になったらどうしたい?のところに現れてくるのが、人の価値観です。
価値観=働く理由であり、その理由を自覚できている人は、外部の環境にモチベーションを左右されずに、いつもやる気が高い状態になれます。
そんなわけで自身の価値観を知っておくのはとても重要です。
ここまでが前回の話でした。
「あ~思い出した思い出した。あざますあざます。」
「なんか最近軽く扱われている気がする・・・えっと、今日はさらに一歩踏み込んだ話をしたいと思います。価値観はモチベーションの源泉というよりも、人の生き方を決定している行動原理だよ!って話をしますね。」
価値観が出来るまで
そもそも、人間の価値観ってどんな風に出来るものなんでしょうか?
人間はこの世に生を受けてからこれまでに、数々の経験をします。
赤ちゃんの時の体験から、自我が芽生え、成長してからの経験まで。
人間はそれら一つ一つの経験を快or不快で選別してるんですね。
そんな風に快or不快とジャッジされた経験が蓄積されて人間の価値観が形成されていきます。
そして、快を得られた経験はまた繰り返すように、不快を得られた経験は避けるように、脳の神経回路が出来上がっていくんですね。
そして人間は形成された神経回路の通りに、価値観の通りに無意識レベルで行動してしまうもの。
だから、人間の行動にはその人の価値観が如実に反映されています。
特に、幼少期の強力なマイナスの体験はその人の価値観形成に大きく影響します。
一説によると、脳の構造がほぼ出来上がるのは大体12~13歳。
脳の形成期に欠乏したものを追い求めるように、人間はプログラミングされてしまうんです。
「なんかそうやって言われるとちょっと怖い気もするんだけど・・・」
「ま~そう言われると、こういうもんだからしょうがない、としか言えないんだけどね・・・価値観がこんな風に形成されていって、人間はその価値観を充たすように無意識レベルで行動してしまうということが分かると大切なことが見えてきます。それは、人間の行動を分析すると価値観が見えてくる、ということです。」
言っていることや思考ではなく、行動を見ることが大切
例えば、「ダイエットをしたい!」という人がいるとします。
一見するとこの人は、『ダイエットすること』に価値を置いているように見えます。
でもなかなか痩せられないんですって。そこで話を聞いてみると・・・
ダイエットをしたいけど甘いもの食べちゃう・・・
ダイエットしたいけど運動が出来ない・・・
ダイエットしたいけど今日は友人に誘われちゃって・・・
この人って本当に痩せたいんだと思いますか?
絶対違いますよね?
お前食ってんじゃん!って突っ込みたくなりますよね。
口や思考では「ダイエットしたい」と言っていても、行動に移せていないということは『ダイエットすること』はこの人にとって重要ではない、ということなんです。
それよりも、『甘いものを食べること』や『運動しないでのんびりすること』に価値を置いているため、この人はダイエットをしたくないんです。
思考や言動ではなく、行動にこそその人の価値観は現れます。
ここが分かっていないと、自己分析はけっこう間違えるので要注意です。
「そうは言っても痩せたい!甘いものも食べたい!友達とも遊びたい!!!」
「気持ちは分かりますって(汗)でも、人間やってることがすべてなんですよ。でも、痩せるためには甘いものを一切食べてはいけないわけではないと思うので、上手く妥協点を見つけて頑張ってほしいなと・・・え~と・・・次は、価値観の探し方を紹介します~。」
価値観の探し方!
価値観を探すときに注意することは、思考や言動を見るよりも行動を見ることです。
そのための質問をいくつかあげるので、質問1個につき3つくらい答えを考えてみてください。
そして、それぞれの理由を考えてみます。
①財布のひもがゆるいのは何か?
みなさんが思わず買ってしまう物、気にせずお金を出してしまう物にはどんなものがありますか?
そして、なぜ、これらの物を買うときは惜しげもなくお金を払ってしまうのでしょうか?
その意図をたどります。
僕の場合、健康に良い食品と書籍とセミナー(大人が参加する勉強会)です。
興味があったらすぐ買っちゃいます。
健康に良い食品を買っている理由は、自分自身の身体をいつも元気に保つため、つまり『自己管理』のため。最近木の実が主食の生活をしているのですが、木の実けっこう高いんですよ。
書籍を買ったり、セミナーに出たりしている理由は、学びを得て自分を向上させるため、つまり『自己向上』のためですね。
②没頭できるものは何か?
みなさんが時間を忘れてしまうくらい没頭できるものは何ですか?
そして、なぜそれらの行動を取ってしまうのか?
その意図を分析しましょう。
僕の場合は、ブログを書くこと、人前で話すこと、プレゼン資料の準備をすること、です。
ブログを書くのも、人前で話すことも、プレゼンの準備をすることも、すべては『自分の考えを相手に伝えるため』にやっています。
『相手に伝えるため』は僕の言葉で言うと『自己増殖』です。
自分の考えを相手の頭に移転し、自分と同じ考えの人を増やす、なんとも迷惑な価値観を僕は持っています。
③自分の部屋でスペースを取っているものは何か?
自分の部屋の中で、スペースを取っているのはどんなものですか?
そして、なぜそれらのものを置いてしまっているのでしょうか?
それらのものを使ってどんなことをしていますか?
僕の場合は、本と健康器具ですね。
本は『自己向上』のため。
健康器具は『自己管理』のために置いてます。
④人と話すときによく話題にするものは何か?
あなたがついつい話題にしてしまうことは何ですか?
自分にとって重要度の高いものは、自然と話してしまうものです。
僕の場合は、健康ネタ、最新の科学ネタ、教育ネタです。
健康についてよく話す理由は、『自己管理』かつ『自己増殖』のためです。
人に対して健康知識を伝えまくっています。けっこう迷惑なやつです。
最新の科学は話してしまうのは『自己向上』。新しい知見を入れて、常に自分をリニューアルできるようになっていたいですね。
教育関連は何だろうな?これよく話すんですが、なんで話しているのかは今は分かってないです。
自分の価値観ワードを書き出してみる
そんなわけで、質問ひとつにつき、3つ解答して答えを深堀して出てきた価値観をいくつか並べてみます。
- 自己増殖
- 自己向上
- 自己管理
これが僕が重きをおいていること、価値観です。
その中で自分にとって一番重要なものは何かを考えてみましょう。
僕の場合は、自己増殖です。
自分の考えを他人に分かってもらうこと、自分の考えを相手の頭に移植することを指します。
自己管理も自己向上も、自己増殖のために頑張っている感じです。
幼少期のマイナス体験と結びつくか?
自分の価値観ワードが分かったら、それが自分の幼少期のマイナス体験と結びつくかどうかを調べてみてください。
この辺はけっこう辛い過去とも向き合わなければならないといけなかったりするのですが・・・
僕の場合、なぜ『自己増殖』を求めるかというと、幼少期に自分の悩みや苦しみを誰にも話せなかったという経験をしたからです。
ずっと親友がいなくて、親にも言えなくて、でも自分の悩みを誰かに聞いてほしいとずっと思っていました。
そんな風に、自分のことを伝えられなかった幼少期の経験があったから、その欠乏感を埋めようとして、自分の考えを相手に伝える、ということを今もやってしまっています。
自分の過去とも整合性が取れ、今の自分の行動と一致したら、それは間違いなくみなさんの価値観です。
「ほえ~~~、これ自分じゃ絶対出来ない気がする」
「そうだね~。誰かに話したりしながらやれると一番いんだけどね。自分の価値観を自覚することは、本当に重要だから、どこかでしっかり向き合って欲しいなと思います。」
過去のマイナスは自分の原動力になる
自分の価値観をひとりで探すことはけっこう難しく、また間違えてしまう可能性も高いです。
でも、もし自分の価値観を自力で理解したい!と思うのであれば、過去の欠乏体験に向き合ってみてください。
「涙の数だけ強くなれる」
そんな名言を言いたいわけではなく、何度も説明をしていますが、幼少期の欠乏体験は僕らの価値観に大きく影響するからです。
幼少期に流した涙は、僕らの価値体系に生涯影響を及ぼし続けます。
自分の辛かった体験を思い起こすのは大変な事なのですが、もし、勇気がある人はトライしてみて欲しいなと思います。
まとめ
「以上、価値観とは何か?及び価値観の探し方でした。」
「情報が多くて頭パンクしそう・・・結局自分の価値観は何なんだろうな~?」
「今日の段階ではまだ分からなくても、自分と向き合っているうちに徐々に見えてくると思いますよ。そのときの注意は、思考や言動ではなく行動を見ること。人間はやっていることがすべてです。価値観が何か見えてきたら、それが自分の普段の行動にどう影響しているのかを観察してみてくださいね。」
「は~い、ちょっと頑張ってみます~。」