こんにちは!
今日は、『外貨建て生命保険を買ってはダメな理由』について話していきたいと思います!

積立型の保険商品なら、預金よりも金利がいいから、資産運用にもなるからどうかしら?
外貨建て生命保険なら、利率もいいし、海外資産も持つことが出来るからなんだか良さそうじゃない???


外貨建て生命保険を買ってはいけない理由
そもそも外貨建て生命保険とは?
外貨建て生命保険とは、円ではなく外貨で購入できる生命保険のことです。
消費者が直接支払うのは、円ですが保険会社の方で外貨に交換して積み立てをしてくれます(外貨で支払える商品もあるようですね)。
外貨建ての貯蓄型生命保険を購入すると例えばこんなメリットがあります(もちろんデメリットで一瞬で相殺されますが、笑)。
- 貯蓄もできるし死亡保障もある!
- 高い利率で運用してくれて、定期預金よりもはるかに利率が良い!
- 外貨を持つことが出来るから円リスクを分散できる!
特にひかれるのは、②、利率がやたら良い!というところだと思います。会社によっては、『最低利率年3%保証!』みたいなことを売りにしている会社もあるようです。

そんな高い利率に目を引かれ、外貨建て保険を購入してしまう方はたくさんいます。しかし、繰り返しお伝えしますが、外貨建ての生命保険は購入してはいけません。その理由を以下、紹介していきたいと思います。
外貨建て保険はとにかくコストが高い
もうこれに尽きます。資産運用を行う際には、運用に関わるコストは最も気を付けないといけないところです。
コストの最も低いインデックスファンドという金融商品で、0.1~0.5%くらい。100万円分のインデックスファンドを購入したとしたら、1000円~5000円くらいがコストとして差っ引かれるイメージです。
コストが高くぼったくりと言われるアクティブファンドという金融商品だと2~3%くらい。100万円のアクティブファンドを購入したとしたら、2万円~3万円は手数料として失ってしまう計算です。
さて、外貨建て生命保険のコストはいくらなのか?これがですね、、、
ひどいことにどこの保険会社のHPを見ても載ってないんですよ。。。
外貨建て生命保険の購入、および保持に係るコストで代表的なものは以下の2つです。
- 保険関係費用(運用手数料)
- 為替手数料
為替手数料は円を外貨に交換するときにどうしてもかかってしまうものです。なのでしょうがないにしても、くせ者なのは①保険関係費用(運用手数料)です。
保険契約の締結・維持および保障に必要な費用(以下、「保険関係費用」)を保険料や責任準備金から控除します。なお、保険関係費用は、被保険者の性別・契約年齢などにより異なるため、費用の合計額またはその上限額を表示することができませんのでご了承ください。
(ソニーライフ米ドル建て終身保険のカタログより)

まあ要するに、知識も経験も豊富なプロのファンドマネジャーが資産を運用してくれる見返りに、消費者が生命保険会社に支払う手数料のことです。
そして、そのコストは公表できない!と堂々と書いてありますね。こんな風に隠されると、そこに裏の意図があるのではないかと疑ってしまいます。(そして事実その通りなのですが、、、)
保険会社に内通する知人もいない自分が、正確な数字をみなさんに伝えることは不可能なのですが、このあたりの記事を参考にすると、、、
人気の外貨建て保険は本当にお得? 保険会社に裏事情
ドル建て保険の手数料は高い?手数料金額や運用費用、リスクを解説
7%くらいが外貨建て生命保険の運用手数料みたいです。

・・・
そんな薄いリアクションじゃだめですよ!!!
手数料が7%なんて、言い方はものすごく悪いですがぼったくりもいいところです。100万円で購入したら、その途端、資産が93万円になってしまうんですからね。

残念ながら、実際に支払った保険料のすべてが積立されるわけではないんです。。。以下、プレデンシャル生命様の『外貨建て保険に関するご注意』というページから説明文を引用します。
お払込みいただく保険料のうち、その一部は保険契約の締結・維持・死亡保障等に係る費用等に充てられ、それらを除いた金額が責任準備金等として将来の保険金などのお支払いに備えて積み立てられます。
(プレデンシャル生命HP 外貨建て保険に関するご注意より引用)
保険契約の締結・維持・死亡保障等に係る費用というのは、先ほども紹介した保険関係費(運用手数料)のことですね。
その分は、差し引いて、残ったもので積み立て運用するということです。
つまり仮に運用コストが7%だった場合、100万円分の保険料を支払ったとしても、積み立てられるのは93万円となってしまうのです。

途中解約をすると元本が割れすることがある
仮に、手数料で7%を引かれたとしても、それでも仮に年利3%で積み立てることが出来れば、定期預金よりは良い成績が付くのは間違いありません。しかし、たいていの積み立て型の生命保険は、途中解約をすると元本割れをするリスクがあります。
試しに、最低年率3%保証をされているメットライフ生命の保険商品『USドル建終身保険ドルスマート S』について見てみましょう。
保険料を払い終えれば、その後一生涯保証が続く、終身保険です。

そう思って、終身保険に加入したくなる気持ちは分かりますが、毎月227.8USドルの積み立て、保険料支払い期間が15年間の場合の返戻金を示したグラフがあるので転記します。

15年間の契約の途中、10年後に解約した場合の返礼率はわずか65%!割高な手数料も取られた上に途中解約をした場合は元本を大きく割れる可能性があるのです。

書いてある利率は実際とは異なる場合がある

と粘るあなたに追い打ちをかけたいと思います。保険会社の提示している利率はよくよく調べていみると、ごまかされていることがあるのです。先にも紹介した利率3%保証の『USドル建終身保険ドルスマート S』を例に紹介します。
利率3%保証の期間に注意しましょう。まず、この保険には、低解約返戻金期間というものが設定されています。つまり、解約返戻金の低い期間が設定されているということです。この商品の場合、低解約返戻金は保険料支払い期間の15年と同じようです。つまり、最初の15年間は、年率3%ではなく、それよりも低い金利でしか資産が増えないのです(その間の年率はもちろん書かれていません)。
仮に、自分で年率3%で運用した場合とドルスマートSの保険商品を購入した場合の返戻金(資産額)を見てみましょう(ドルスマートSを15年間運用した場合の数値が無かったので、20年運用した場合の金額です)
運用方法 | 利率 | 積立額/月 | 運用期間 | 返戻金(資産額) |
年率3%で運用できた場合 | 3% | 227.8ドル | 15年 | 51,668ドル |
ドルスマートS | ??? | 227.8ドル | 20年 | 46,431ドル |
運用期間が5年違うにも関わらず、自分で年率3%で運用できた方が、約5,000ドル資産が増えます。低解約金返礼機関が設定されているため、保険料支払い期間は、利率が3%ではないのです。払込期間が終わった後、16年目からはようやく資産が年率3%で運用されるようですね。そしていろいろと計算してみると、この低解約金返礼期間の利率はほとんど0に等しい感じ・・・
つまり、最初の15年間は定期預金を行い、その後、貯めた資金を元手に3%で運用するのと同じことになります。最初の15年はほぼ運用されないため、とてももったいない・・・
もちろん、途中で解約をせず、20年、30年と保有をし続ければ、定期預金よりははるかに高利率であることは事実だと思います。ただ、保険会社の出している数値にはいろいろなトリックがあるので注意しましょうね。
そもそも資産運用と保障は分けて考えるべき
そもそも、積立タイプの保険を検討する方は、資産運用と保障を分けて考えるべきです。そうでなければ、割高の手数料を保険会社に取られるだけです。
資産運用をしたいのであれば、積立型のインデックス投資など、初心者が時間をかけずに結果の出せる王道の投資方法があります。
初心者が資産運用を始めるなら、インデックス型投資信託一択です!

外貨建ての資産を持ちたいなら、外国株式のインデックスファンドを購入しましょう



まとめ
以上、外貨建て生命保険は買ってはいけない金融商品である、ということを紹介させていただきました!
世の中には、まっとうな金融商品を装った、詐欺まがいの商品がたくさんあります。そういった商品を買わされないように、適切な金融リテラシーを付けていきましょうね!
最後まで読んでくださりありがとうございました!