痛風の原因、その理由は人間の進化にあった『進化医学~人への進化が生んだ疾患』

 


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進路アドバイザーおかもってぃ。偏差値だけで適当に大学・学部を選び後悔した経験から、学生のキャリアについて興味を持つようになった。学習塾で日々生徒と関わるかたわら、学生が納得のいく進路選択をするための情報を日々発信中。

患者数は60~70万人もいると言われている病、痛風

アレキサンダー大王やルイ14世も罹患し、帝王の病とも言われたそうです。

他にも、アイザック・ニュートンやャールズ・ダーウィン、ベンジャミン・フランクリン、マルチン・ルターなど著名人の患者さんが多数。

「あっなんだ!こんなに偉大な人が患っているなら自分も大丈夫!」

・・・

とはいかないほど辛い痛風ですが、痛風になる原因はまだ分かっていないことが多いようです。

そんな痛風の原因を生物としての人間の進化に求めた、進化医学の知見を紹介したいと思います。

痛風のメカニズム

痛風の元は、尿酸、という物質。

尿酸は、かの有名なプリン体が体内で変化することで生じる物質です。

生じた尿酸は、通常であれば尿として排出されます。

しかし、ストレスやプリン体の過剰摂取によって、血中に尿酸が増えすぎてしまうと、その尿酸が析出してしまうんです。

この現象を過飽和と言います。

過飽和になった尿酸は、尿酸ナトリウム塩という物質として析出。

それが間接や健の周辺に溜まってしまうことで間接炎が起き、急な腫れやひどい痛みにつながってしまうそうです。

進化の過程で尿酸を分解できなくなった

さて、溜まってしまうとこんなにも危険な尿酸を分解する手段をなぜ人間は持っていないのでしょうか。

その理由は、尿酸を分解する酵素を進化の過程で失ってしまったことにあるらしいのです。

 

実は、痛風に悩むのは人間とチンパンジーやゴリラ、一部の鳥類や爬虫類だけです。

もちろん、野生動物が人間のようにぶくぶく太ることは考えづらいので、痛風になるリスクがあるのは人間だけと言ってもいいかもしれません。

 

その他の動物は生じた尿酸を、安全な物質に変える酵素を持っています。

つまりどんなにプリン体をたくさん取って、尿酸値が上がっても、それを他の物質に変えることが出来るので、痛風に悩むことはありません。

一方の人間、及びごく一部の生物は、この尿酸を分解する過程を捨ててしまったようなのです。

痛風に悩む人からすれば、

余計な事せんといて!!!

という感じでしょうが、なぜ人は尿酸を分解する仕組みを失ってしまったのでしょうか?

まだ明確な答えは見つかっていませんが、一つは尿酸の持つ『抗酸化作用』を利用した方が生存に有利だったから、と言われています。

尿酸値が高い霊長類ほど長生きをする

尿酸値が高い方が長生き!?

そんなバカな!と思われるかもしれませんが、あくまで霊長類の標準値の比較です。

標準値より過剰な尿酸値であればそれは、不健康で長生きできないに決まっています。

以下が、血中の尿酸レベルと平均寿命の関係を表したグラフです。

 

出典:https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/evolutionary_medicine/vol2n1.html

尿酸値と最大寿命に明確な相関があるのはお分かりいただけると思います。

そう、尿酸値が高い霊長類ほど実は長生きするのです。

明確な理由は分かっていませんが、一つの要因は尿酸の持つ『抗酸化作用』だと言われています。

活性酸素などを還元する尿酸

私たちは、酸素を利用して体に必要なエネルギーを作り出していますが、その酸素を利用すると同時に、活性酸素という有毒な物質も発生しています。

この活性酸素は、我々の細胞を傷つけ、様々な病気の原因になると言われています。

この活性酸素など、身体を傷つける物質を無毒化するのが、抗酸化物質

ビタミンCやコエンザイムと言われる物質も、抗酸化物質です。

尿酸も抗酸化物質であるため、活性酸素のような物質を無毒化することが出来ます。

その結果、寿命が上がったのではないか、ということらしいのです。

進化医学という観点

以上、尿酸値の濃度が人類だけ高い理由を進化医学の観点から紹介してみました。

そもそも、進化医学は1990年代にそのコンセプトが紹介されたばかりの比較的新しい考え方。

まだまだ直接的な診断や治療に結びつかないことから、医者はあまり関心を持たず、医学界の中でも市民権を得ていない状態なんだととか。

でも、人間は生物であり、かつ何千万年も生きてきた歴史があることを考えると進化の過程を病気の重ね合わせて考えることは非常に有効なのではないかと個人的には思います。

今回参考にさせていただいた書籍は以下!

尿酸値の話以外にも、肥満やがんの話等もあり、また比較的読みやすい本なのでおススメです。

興味のある方はチェックしてみてください^ ^

 

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